2019/04/09 08:00
こんにちは。
ボンボンヒップの、木脇です。
物が形になる時、その背景により姿が違ってきます。
何故ならば、物づくりは
歴史を振り返ることで、未来が分かりかけてきます。
そこに、現在のニーズを組込むと
「どこにもない」が出来あがってきます。

ボンボンヒップが生まれた|ブライダル業界ドレスの歴史的背景2001年ころ
それは、2001年頃(18年くらい前)の、ウエディングドレス事情と、その背景からはじまります。ブライダル業界、婚礼衣裳の一部であるドレスのことです。先ずは、当時のことから、私は「ブライダルスタイリスト」として、衣裳部門にて職務を果たしていました。婚礼衣裳にかかわり始めて12年目の時です。その頃、所属していたブライダル企業が、結婚式場(独立型チャペル)とパーティー会場を持つようになって2~3年目の時です。チャペルが、本格的なカテドラルチャペルでしたから、常に大入り満員でした。30分区切りの挙式をするような大流行の状況です。よって、結婚式・披露パーティーは、日々とても身近な仕事現場でした。結婚式・披露パーティーの様子が、手に取るようにわかる状態です。また、衣裳部門で何かあれば現場(チャペル・パーティー会場)へ一番に走っていく立場でした。
その頃の様子
「ドレスが、ずれて仕方ないですけど」「ドレスが、ずれたままの写真が写されている」「ドレスを、何度も上げていたけど、どうなっているのですか?!」こんな話が、婚礼の現場から聞こえ始めました。そして、プランナースタッフも、ドレスがずれる事を気にし始めました。その状況は、日増しにドンドン加速しました!ちょうど、ボリュームのある、ビッグラインのドレスが増えてきた頃です。もちろん、ドレスのトレーン(後ろ裾の部分)も長くなってきました。日本中の結婚式が、仏式、神前式から、チャペル式に変化するのにさほど時間はかかりませんでした。そして、教会式が7割に近づいていました。教会式の最中は、参列の方が花嫁の後ろ姿を見ている時間が長い。30分の挙式時間中、約25分ほどはお二人の後姿を見ています。そんな事もあり、ドレスのバックスタイルデザインが、華やかさをましてきました。そうなると、ドレスの後ろが長くなって、飾りがたくさんついて、ボリュームがアップして、ドレス本体がドンドン重くなってきました!
その頃から、急激に流行りだしたショルダーデザインはベアトップです。肩紐がありません。
また、チャペルのバージンロード、ホテルのパーティー会場は、絨毯仕様がとても多かったです。ドレスの裾まわりが、絨毯に引っかかって、ドレスがずれる条件が重なりました。ですが、ドレスがずれる事は、あまり重要視されていませんでした。ありがたいことに、まだクレームなどが、あまりありませんでした。不思議でした。この時点での、ドレスがずれる背景は二つでした。
◆ ショルダーデザインのベアトップが流行った
◆ 教会式がふえて、ロングトレーンが増えた
ようは、肩紐が無い、後ろの重いドレスが増えてきたからでした。

しかし、それだけに留まらずでした
もう少し時が経ち、ドレスサイズに変化が起きました。3サイズ対応の、レースアップドレスが出はじめました。この辺りから、ドレス補正がふえて、ドレスがずれるが増え、クレームの2次的理由として「ドレスがずれた」が言われる様になりました。
ここまで、大丈夫でしょうか?もう少し、続きます。
レースアップデザインとは?
3サイズ対応ドレスのことです。3サイズ例(7号)(9号)(11号)/(9号)(11号)(13号)等。「このサイズの花嫁さんが着れますよ!」と言うドレスです!後ろが、シャーリングを施した仕様になっています。その為に、「紐状のもので編上げる様式=レースアップ」になっています。このドレスは、急激に流行りました!どこの衣裳店も、展示会にいく度に、3サイズドレスを買い求めるようになりました。3サイズ(3着分)を1着買えばOKですからとってもお得に思えます。それまでのドレスサイズは、ジャストサイズのみでしたから画期的です。よって、このアイデア、デザインが大ヒットしました!いつの間にか、ブランドドレスまで3サイズ(2サイズ)レースアップ様式になりました。それから、1~2年してこのドレスたちが、「マタニティードレス」とも呼ばれるようになりました。
ですが、サイズの観点から、このサイズ様式にはかなり無理があります。ドレスを製作される技術者の方にはわかるかと思います。パターンナーさんも、何がどんな風に無理があるのかわかるはずです。
3サイズ(7T~9T~11T)の場合。
7号サイズの人は、2サイズ分の余分な生地を一緒に着ることになります。
9号サイズの人は、1サイズ分の余分な生地を、一緒に着ることになります。
そして、フロントはジャストサイズで出来あがっています。どのように考えても、ピッタリに着る事に無理があります。とてもお得な、誰にでも合うはずの3サイズ(フリーサイズ)ドレスが、実は合う人にだけ合うドレスに成ってしまっていました。余分な生地分が重さになって、腰のハリの無い日本人体型では、腰では止まりきらずに下へずれてしまう。どんなにきつくレースアップの紐で締め上げても、全体を締めて、長時間ずれない様にすることは無理でした。
そして、気づきました。現場に目を向けると、3サイズ対応ドレスの、在庫がふえると同時にドレスの補正が増えてきました。1点のドレスの、補正箇所が増え、シーズン中はドレス補正のための残業がドンドン増えました。そして、更に新たな展開のドレスが出てきました。
レースアップのデザインが、どのドレスにも似合うわけではないので、後ろのギャザー部分を隠すようなデザインが出てきました。それが、ドレスのバックスタイルをより複雑にしました。複雑化=補正がやりにくい。複雑化=生地の分量が増えている。
まだ、あります。
このような背景の時、ドレスのスカートデザインが、Aライン(Aの文字に似たシルエット)、ボリューム感いっぱいのビッグライン(プリンセスライン)、この二つのスカートラインが主流になりました。婚礼が華やかになり、比例してドレスが華やかさを増して重くなりました。幾つものことが重なって「現在」です。

まとめ
「ボンボンヒップが生まれた|ブライダル業界ドレスの歴史的背景2001年ころ(18年くらい前)」
◆ ショルダーデザインのベアトップが流行った
◆ 教会式がふえて、ロングトレーンが増えた
◆ 3サイズ対応の、レースアップドレスは重い
ボンボンヒップが生まれた背景には、レンタルドレスの歴史的背景があります。この背景は、つい数年前のことです。今も、花嫁の憧れは変わりません。
ボリュームいっぱいのドレスを、美しく着こなす。一生に一度だからこそ、その夢や憧れを叶えてください。いちばん大好きな人と、「いちばん綺麗な私スタイル」にこだわってください。

最後に。
ブライダルスタイリスト30年です。よって、30年分しか分かりませんが、ボンボンヒップを開発する時、時代を振り返ったからこそ、自信を持てる商品づくりができました。ありがとうございます。感謝と、心からの御礼を申し上げます。

本日は、これで、結びと致します。
今日も、ありがとうございます!
Bon bon hip ボンボンヒップ
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特別賞「大江、大浜賞」受賞